March 09th, 2025

メディアコンバージェンスによる郵便ポストのICT・IoT化事業

▶︎見守り事業(徘徊対応、子供所在確認、遺失物発見)

• ​「止まらない通信網」(後記)の通信機器を郵便局のポストや配達車両、配達員に設置・所持することで、通信機器がビーコンタグ等をキャッチして所在を通知する仕組みを全国に展開する。

▶︎高齢者による健康増進とラストマイル配達事業

• 高齢者の健康マイレージ事業として、生活圏であるご近所の軽量郵便物を郵便局から配達いただく事により運動量をマイレージとしてカウントし健康維持のモチベーションとして運用する。ラストマイルをご近所様に託すことにより留守宅問題の解消と地域郵便局を中心に地域コミュニケーションの活性化が期待できる。局員以外の配達に規制緩和が必要。配達中の高齢者の見守りとマイレージポイントの自動集積は「止まらない通信網」で行う。

▶︎メディアコンバージェンスによる物流の効率化と情報伝達事業

• IPDC(後記)は放送にIPパケットを重畳する技術で、現在総務省ではVHSのHigh帯域の利活用を検討している。全国の移動する郵便車両や郵便局、配送拠点に一斉に通知が可能で、刻々と変化する郵便制御を一か所ずつ通信のコストを掛けずに対応できる。また郵便ポストをサイネージ化して受信することで地域の情報端末や災害時の避難誘導など地域の情報基盤となる。「止まらない通信網」と連携することで放送の上り回線を代替しアンサーバックも可能となる。
  
  

ICT、IoT化で郵便ポストを情報端末に

▶︎全国津々浦々、18万箇所に設置されている「郵便ポスト」を情報端末にすることで、地域社会の活性化に貢献する新　　たな存在価値を創出する。

▶︎郵便ポストにデジタルサイネージを併設することで、ディスプレイを持った“情報端末”と位置づけ、ここからさまざまな情報を発信する。

🟢デジタルサイネージの機能
A) 放送波（地デジ、エリア放送、V-Low、V-Highなど）の受信機を搭載することで、ニュース・天気、防災情報などをリアルタイムで受信し画面に表示する。
B) 放送波のIPDC信号を受信することで、サイネージ機器ごとに最適化された情報を受信し画面に表示する。
C) 「止まらない通信網（Skeed社）」の端末を搭載することで、子ども・高齢者の見守り、災害時の安否確認などができ、その結果を画面に表示できる。
D) Beacon Cast Box端末を搭載することで、付近を通行する人のスマートフォンに情報をプッシュで送信する。

郵便ポストのICT、IoT化の取り組み概要

IPDC：IP DataCast の略称で、放送波を活用しIPプロトコルにより一斉にデータを配信すること。インターネットの世界で活用されているIPを放送波にも活用し、あらゆるデジタルインフラでのコンテンツデリバリーを実現する。BeaconCast：スマートフォンなどに実装されているBluetooth Low Energyを利用して、一斉に情報をプッシュ配信する技術。

郵便ポストの高機能化による利活用例

▶︎地域の見守り・活性化に貢献

• 郵便ポストを“止まらない通信網”の端末とすることで、ICタグを身につけた子どもや高齢者の見守り、徘徊老人の捜索等に威力を発揮する。
  
• スマートフォン（スマホ）を持たない高齢者に対して、郵便ポストの前を通過する際に
  ICタグと通信し、当該者に向けたメッセージを併設のデジタルサイネージのディスプレ
  イに表示。「○○さん、今日は○時から公民館で△△がありますよ」等のメッセージに
  よりイベントへの参加を促す等、地域の活性化の一助となすことができる。
  ​
  

▶︎郵便（宅配）物の集配業務の効率化

• 不在配達の解消：ICタグを身につけた集配業務担当者が郵便ポストに近づくと通信が発生し、必要に応じて集荷や配達時間の適正化を図り、その情報を担当者に伝達する。
  
• 配達のラスト・ワンマイルを地元の高齢者に委託することを想定した場合、上記のように郵便ポストの近くを通過した高齢者に対して集配の指示も出せる。
  

「止まらない通信網」利用用途

SkeedOz を利⽤した、地域向け広エリア低コストIoT⾃営通信網

概要
⾏政改⾰、少⼦⾼齢化による⼈⼿不⾜を効率的に⽀えるため。SkeedOzによる街の⾃営通信網は、⾃治体のエリアに数多く設置された各種センサーやIoT機器との通信を低コストで実現し、要介護者や⼦供の⾒守り、防災・減災など⾃律的な社会システムを構築する⼀助を担う。
特⻑
広いエリア: 数km x 数km の範囲に散らばった数百個のセンサーの情報を収集可能低コスト:エリア内だけで使⽤する場合、通信コスト、通信サービス契約不要強靭性:装置の⼀部が故障しても、残った装置は稼働と通信を継続可能(耐災害性)⾼頻度通信: 各センサーのデータを毎分数回送信することが可能通信中継器や、無線タグ、スマートフォンは、携帯電話網が不通でもそれぞれ独⽴して動作する。

SkeedOz を利⽤した、IoT導⼊⽤途

● オフィスや⼯場、病院などの機器⼯具備品などの資産管理
● オフィスビルなどの社員位置確認、⾏動記録
● 店舗、ショッピングモール、テーマパークなどの来場者動線分析
● 倉庫などにおける在庫品管理運送業などによる受託荷物の追跡
● ⼦供やお年寄りなどの⼈達の位置や活動状況を把握
● ⾃転⾞、装置などに取り付けて盗難防⽌および所在不明時の位置確認

「止まらない通信網」適用事例

⾃律分散の特性を活かし、他の通信⼿段の障害時にも、住⺠への警報情報の配信と、住⺠や町職員が住⺠や家族の避難状況(位置)を知ることができる仕組みを構築
※この取り組みにより美波町はプラチナシティに認定

高齢者による健康増進とラストマイル配達事業

▶︎広く分散設置された通信機器が配達中の高齢者の所在を検知して、移動距離を分散台帳へ記録しマイレージポイントへ換算する。

▶︎配達のラスト・ワンマイルを地元の高齢者に委託しても配達中の高齢者と配達物を見守ることができる。

▶︎配達中の移動距離を中継器が検知した場所の距離の合計から健康マイレージポイントへ換算する。

災害時における郵便ポストの活用例

▶︎放送と“止まらない通信網”の連携により情報過疎を解消

• 放送波は一斉同報性を有し、アクセスが集中しても輻輳しない。デジタルサイネージ併設の郵便ポストにTVチューナーを装備すれば、テレビの災害情報を受信できる。
  
• “止まらない通信網”は、通常の通信網（携帯電話や固定電話）が使用不能な状態でも、災害情報をスマホやタグに配信することができる。
  
• また、離れて避難する家族等で、スマホとタグを持っていれば画面でお互いの避難状況を確認できる。
  

IPDCと「止まらない通信網」による物流の効率化

IPDCと「止まらない通信網」による物流の効率化

⾞載ナビノードとシステムI/F

• 放送(IPDC)による情報受信機能とP2Pノードによるオーバレーネットワーク機能を実装した⾞載ナビ通信ノードを開発する。⾛⾏エリアにおける物流ファクターをIPDCで受信する。
  
• 需要変動における⾃⾞両の対応可否、他社ドライバーへの引継ぎ輸送の可否、⾃⾞両のキャパシティー、現在地からの交通情報に基づく到着予定時間などをP2Pノードへ送信する。
  
• 分散AI処理により、新たなルートをノードより受信し⾞載ナビ(⼜はスマートフォンのナビ)に反映する。

郵便ポストのさらなる高みへの課題

停電時対策

• デジタルサイネージは100V電源で駆動するため、停電時には使えない。
  
• 停電時にも役に立つ情報端末とするためには、太陽光パネルと、それが生み出す電力によって駆動する低消費電力型のデジタルサイネージの開発が不可欠となる。
  
• そのためには、電子ペーパーの利活用など、従来のLEDディスプレイに代わる新たなディスプレイの開発も視野に入れる必要があるかもしれない。

”サイネージ一体型郵便ポスト“の開発と広告モデル化

• 占有面積の効率化のために、郵便ポスト上部にディスプレイを乗せたような形の一体型郵便ポストが今後の主流になっていくのではないか。
  
• また、ある程度まとまった数の郵便ポストがデジタルサイネージ併用型や一体型となれば広告モデルとしての運用も視野に入ってくるであろう。コンテンツの配信には全国の民放テレビ局やケーブルテレビ局、あるいは新しい電波帯域として検討が進むV-High域や、通信に分類される「ローカル5G」など、さまざまな伝送手段が想定できる。